新年明けましておめでとうございます。皆さまにとってたくさんの幸せや嬉しい発見、佳き出会いに恵まれる年になりますようお祈り申し上げます。2023年は、創作活動と共に企画制作にも力を入れて参ります。まずは新プロジェクトについてお知らせいたします。
2023年5月2日(火):展覧会 日本の芸術のいまを観る -継承と革新-
この展覧会は、音楽の領域を超えた芸術の創造に力を注いだ故一柳慧氏の挑戦を引き継ぐ新コラボレーションプロジェクトです。サントリーホール・ブルーローズ(小ホール)に各分野のエキスパートが集結し新しい演奏会の“かたち”を模索します。通常使用の舞台と客席は取り除かれ、350余年の歴史を誇る大樋焼の継承者でありながら建築家の奈良祐希が新しい視点から配置した観覧席と自らの陶芸作品《Bone Flower》(金沢21世紀美術館最年少永久収蔵作品)をインスタレーションアートとして再構成。
石草流生け花家元の奥平清鳳は、そこに生きた花々による命を吹き込みます。
「石草流」は生け込むプロセスや受け継がれる所作などの全てをパフォーマンスとして演出する「現代の花所望」を確立。時間の概念を持ちながら可視化される「花所望」は美術と音楽とを結ぶ架け橋となることでしょう。
こうして《凍れる花々Bone Flower》と《生きる花々》が咲く芸術空間が「生命の煌めく春」としてサントリーホール・ブルーローズに誕生すると共に、展覧会は演奏会へと姿を変えていく。そんな美しく儚い、かけがえのない時間を皆さまとご一緒出来ましたら心から嬉しく思います。私はこの企画については、エグゼクティブディレクターとして発案から実務までを担当しております。遠い将来には、世界中の皆さまにお届け出来る企画になるよう大切に育てて参りたいと思います。
尚、この公演は、サントリー芸術財団の推薦コンサートとなっております。より多くの皆さまにお目にかかれますことを楽しみに、世界の安寧を祈りながら新年のご挨拶とさせていただきます。
キュレーター 秋元雄史
シニアアドバイザー 池辺晋一郎
生け花【花所望】奥平清鳳
エグゼクティブディレクター 神山奈々
ヴィオラ 田原綾子
陶芸・インスタレーション 奈良祐希
作曲 森円花
バリトン 与那城敬